穀雨(こくう) 二十四節気で巡る六甲山自然歳時記(第2回)

4月20日から、二十四節気では「穀雨(こくう)」です。穀雨とは、田畑の穀物を潤(うるお)す、春雨が降る季節という意味です。
秋に播いた穀物(麦)だけでなく、いろんな植物はこの頃の雨を浴びてぐんぐん育っていきます。
野山では、スミレやタンポポなどの花が咲き、アゲハチョウが舞い、テントウムシが活発に動きはじめるなど、自然散策に最適の季節です。
なお、二十四節気における「春」は、立春(りっしゅん)に始まり、穀雨(こくう)で終わりを告げます。
 六甲山では、ヤマザクラなどの桜の時期も過ぎ、カエデなどの新緑の葉が美しいです。
私は、六甲山ガイドハウスへの勤務日は、阪急六甲から登山バスを利用していますが、登るに従い樹木のみずみずしい葉の緑色(もえぎ、あさぎ、わかくさ、うすみどり、きみどりなど)が印象的です。

   

(みみより話) スミレの花(距)の子孫を残す知恵 

 春の野山に、つつましく凛(りん)とした形で咲いているスミレの花は、野草の中でも最も野草らしく思います。
 スミレというと、花の色は濃い紫色のイメージですが、実は淡い紫・ピンク・白色と種類により様々です。葉の形も、へら形やハート形・細かく切れ込んだものもあります。
 六甲山地周辺には20種ほどのスミレの仲間が自生していますが、その中で私が特に好きなのは、山麓から山上にかけての日当たりの場所に咲いている赤紫色の花で、葉の裏面が赤紫色で光沢のあるシハイ(紫背)スミレです。

(葉の裏が紫のシハイスミレ) 。    

 スミレの花をよく観察してみると、花びら(花弁)は5枚あります。上の2枚を上弁、横の2枚を側弁,下の1枚を下弁といいます。下弁の元の方は後ろにふくらんでいて、ここを距(きょ)と呼びます。
 この距がスミレの花の特徴で、ここに蜜が入っています。この長い距をもった花の形が、大工道具の墨(すみ)入れに似ているのが、和名の由来です。
 蜜を吸える昆虫は、口の長いハナバチやチョウの仲間に限られ、蜜を吸う際に、体に花粉が付き、仲間のスミレと効率の良い花粉交換ができます。
 多くの昆虫に蜜を提供したのでは、他の植物に行く場合もあり効率が悪く、これは子孫を残すためのスミレの知恵です。 

   

  (スミレの花の距がでたようす)

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