六甲山の生き物歳時記(第1回)

六甲山の生き物歳時記の掲載について

今回から、50年近く神戸に住み、県立六甲山自然保護センターに非常勤駐在として勤務する筆者が、それぞれの季節の中で出会った生き物について、その生い立ちや人とのかかわり、名前の由来なども含めて紹介します。
大地にしっかり根を張った年を経た大樹、若葉や紅葉に彩られた樹木、その下に咲き乱れる野草や、これに群がる昆虫、まれに顔を覗かす動物やその足跡など、六甲山の山野には発見と感動があります。その様子の一部をお伝えできればと思います。

六甲山系の白い花、多くはコブシではなくタムシバ!

六甲山自然保護センター周辺では、白い釣鐘型の小さな花を咲かせているアセビが花盛りで、アジサイの緑の新芽が目立ちはじめています。
 4月9日(土)午前10時、ガイドハウスの気温は、15度で春の登山にふさわしい季節となり登山客が多くなってきました。

今、六甲山の谷筋を中心に白い大きな6弁の花が咲き、目立っています。その花は一般にはよくコブシといわれていますが、ほとんどが同じモクレン科のタムシバ(噛柴)です。肥よくな土地に生育するコブシに対し、タムシバは産地のやせた土地に生育します。

六甲山の斜面に目立つタムシバの白い大きな花


  
花を見ると、コブシとタムシバは簡単に見分けられます。いずれも白い花ですが、違いは花の付け根に若葉があるかどうかで判断できます。若葉がある方がコブシ、若葉がない方がタムシバです。名前の由来は、葉を噛めば甘く甘い味がするため、「噛む柴」が訛(なま)ってタムシバとなりました。

タムシバとコブシの花の比較


(タムシバとコブシの比較画像は、http://kobehana.at.webry.infoから引用)

六甲山自然保護センター特別展示「六甲山系のチョウの変遷50年」
~平尾榮治コレクションを中心に~を開催中です。

多様な自然環境を有する六甲山系には、80数種のチョウが生息しています。只今、本館展示室では神戸市北区在住のナチュラリスト平尾榮治氏のコレクションを中心に、六甲山系で記録のあるチョウ全種の標本を展示しています。
チョウは「気候変動」や「地域の自然環境」を知る手がかりとなる指標昆虫で、標本を通じて、「豊かな六甲山の自然環境」と「チョウの生態・生息状況の変化」を実感できます。
本日も、親子連れが見学にこられ、「六甲山には、こんなにたくさんのきれいなチョウがいるので、びっくりした。」と言いながら、熱心に見ておられました。

六甲山系のチョウの標本箱を見る親子

開催期間:2016年4月1日(金)~5月31日(火)
内 容:六甲山系のチョウ標本箱テーマ別11個出展
(・里山の代表的なチョウ ・温暖化の影響などによるチョウの変遷 ・里山の代表樹種 エノキを食するチョウ ・周期的に大発生するチョウ ・六甲山と沖縄八重山諸島のチョウの比較など)

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